First Person Shooters / FPS

Quake logo

    Quakeマルチプレイヤーゲームは1997年の夏ごろから始めました。最初は日本の公開インターネットゲームサーバー(以下"鯖")としてその頃はほとんど唯一のTri-6のデスマッチ鯖で、そのうちエゴイスティックなプレイヤー*1に嫌気がさして同じTri-6のCTF*2鯖に移りました。そのうちまたちょっとその鯖に嫌気*3がさして、秋からはもっぱら北米のQuakeWorld*4 CTF鯖で遊ぶようになりました。

    主に遊ぶゲームはその後Q2CTF、Q3ACTF、Rogue SpearのTeam Survivalなどと変わりました。今はUT2004です。Q2CTFとRogue Spearではそれぞれ日本・北米二つのクランに入りました。最初日本のクランに、後にそこをやめて数ヶ月以上してから北米のクランに。

    日本のクランの方が他のメンバーと遊ぶ時間帯がだいたい同じだし、会話も不自由しないし、いいんですがどうも何か人間関係にべたべたしたところがあってそこがちょっと厭です。主なメンバーが北米に住んでいるようなクランは遊ぶ時間帯が半日がとこズレるんで非常に不便です。いい所はたいてい何らかのリーグに属していて割と頻繁にラダー*5やトーナメントの公式試合があるところですが、試合があっても時差の関係で参加するチャンスはあまりありません。あとゲームによっては軍隊みたいな階級や勲章の制度を採用したクランが結構あって、それなりの経験を積んだいい大人のプレイヤーは入隊に二の足を踏んでしまいます。

    Q2・RSともに、所属していたクランはもう存在しません。北米のはそれぞれ一人づつ、元の仲間がIMのコンタクトリストに残っていますが、一緒に遊ぶチャンスは今では滅多にありません。

*1:いわゆるキャンパーだが、CTFのようなチームプレイでもやはり身勝手なプレイヤーは存在する。勝っているチームに参加するとか、パワーアップアイテムを独占するとか、チームメイトが殺した敵の落としたアイテムを横取りするとか、チームメイトを殺せるルールでは故意にチームメイトを殺すとか。

*2:Capture the Flagの略。

*3:管理者だとかマップリストの構成だとか他のプレイヤーが武器を取ったらしばらくはそこで武器が再現しない設定とか。

*4:Quakeのアップデート版で、プレイヤーに対するインターネット鯖の反応性を大きく改善したもの。

*5:ladder:レベルの近いクラン(または個人)同士が挑戦し合い、勝負により数十とか百以上のクランの長いリストを上がったり下がったりするシステム。トーナメントもそうだがたいていプレイヤーの回線の良し悪しにより二つのクラスに分かれている。

Keyboarders

Keyboard

    Doom-Quake系のFPSではマウスとキーボードを併用する方法がプレイヤーたちにより開発*1されました。Doomの前のWolfenstein 3Dではマウスが使えるといっても設定マウス感度の限界やマップの構造上キーボードだけを使う場合と比べ大した利点はありませんでした。Doomで初めてマウサー*2のキーボーダー*3に対する優位は確定し、上下方向の狙いを180°近く自由に出来るQuakeに至ってキーボーダーの不利はどうしようもなくなりました*4。ただ一つ、ゲームメニュー上からは不可能なことですが、Quakeでは設定ファイル*5を編集することでプレイヤーの旋回速度を任意に設定することができ*6、限られた条件*7下ではマウサーに対等以上に立ち向かう事も出来るようになりました。

    またマウサー特有の機動に"circle strafe"と呼ばれるものがあります。左右どちらかのカニ歩き(strafe)キーを押しながらマウスを使って照準をターゲットに合わせ続け、円弧を描いて移動するテクニックで、初心者やシングルプレイヤーゲームのモンスターをやっつけるのに便利なものですが、少し経験を積むか設定ファイルをチューニング済みのキーボーダーにはあまり役に立ちません。キーボーダー時代の私には、敵が非爆発系の武器*8でこれを始めればむしろ「思うツボ」でした。ちなみに「普通の」キーボーダーは左右カニ歩きも使いこなしていましたが、私はキーだけは設定してあったものの、マウサーに転向するまではついにそれらを使うことはありませんでした。つまり平面移動では前後進と左右旋回のみで、照準はあくまでも敵に合わせて(もちろんレイテンシーの分と、武器によっては敵の移動を見越した分を修正して)突っ込んで行くだけ。

    私はもともとゲーム以外でマウスの使用(とくにシステムによるその強要)に対する嫌悪感を持っており、また反射神経が鈍くてどうせ転向してもそう強くはなれまいということ、Quakeを始めた頃にQuakeキーボーダー友の会という仲間がいたこと、友の会ではないですが強いキーボーダーがいたりしたので、その後長い間キーボードにしがみつくことになりました。よく「キーボーダーだって? そんなものは絶滅したと思ってたよ」などと言われたものです。

*1:むろんゲームの制作者がそれを可能としている訳だが、ここではこの機能を有効に活用する各種設定を開発、の意味。左手を前・後・左・右などの動きにあてるなど。これら動作を割り当てるキーとしてASDF,WASD,ESDFなどのバリエーションがある。Quake2か3まで、デフォルトの動作キーセットはテンキーの8462だった。

*2:mouser:マウスとキーボードを併用するプレイヤー。

*3:keyboarder:キーボードのみを使うプレイヤー。

*4:この辺の事情は"House of Mouse"のこのあたりに書かれている。

*5:Quake系ではゲームの可変設定・メニューからカスタマイズした結果がconfig.cfgというファイルに記録され、次回の起動時に読み込まれる。Autoexec.cfgに、デフォルトと異なる部分を書いておけば優先的に読み出され、ゲームメニューやコンソールからの設定変更は書き込まれない。

*6:cl_yawspeed デフォルトで140だが、これでは社交ダンス並以下の優雅な旋回しか出来ない。これを例えば400とかにする。

*7:壁に囲まれた狭い場所ではロケットを敵の背後の壁に当てることで「床撃ち」同様の効果が得られる。また、キーボードによる旋回はマウスと違ってある方向に連続無制限に旋回出来るのでcl_yawspeedを大きくしてあると接近戦(ドッグファイト)でマウサーの背後を取りやすい。

*8:ショットガンやQuakeネイルガン、Quake2のチェインガンやハイパープラスターなど。

Quake Clans

    北米の鯖でQuakeWorld CTFを遊んでいた時からどこかクランに入って試合に参加したい、同志とスキルや戦術の切磋琢磨をしたいという願望がありました。しかしその頃は英語のチャットもほとんどダメな上、腕が腕ですからほとんどお呼びはかかりませんでした。クランのリクルーター*1はプレイヤーのスキルも重視しますが、日常自分たちが遊ぶ鯖にコンスタントに参加しているか、ゲーム(この場合CTF)をよく理解しているか、などの他にゲーム中のメッセージやチャットでプレイヤーの人柄も見ています。

    一度、入隊に興味があるならIRCで話を聞きましょうと言う人がいました。その人は私がIRCクライアントをダウンロード*2してインストし、セットアップ方法を紹介したサイトを見ながら四苦八苦して設定して当のサーバーに接続するまで30分ほども辛抱強く待っていましたが、ICQのユーザー情報(IRCの"whois"コマンドだったかも)で私が日本から接続している事を知り、開口一番に「リーダーの命令により合衆国大陸部以外からのメンバーの採用は禁じられている」と言われました。

    もっともなことで、親睦団体的(昨今はだいぶ事情が異なるようですが)な日本のクランと違って北米などのクランはラダーやトーナメントを勝ち上がる事を主要な目的の一つとしているから、時差の関係で試合への参加が限定されたり試合をする鯖でレイテンシー*3が大きく実力を出せないプレイヤーでは戦力として期待出来ないからです。

*1:無論ちゃんとしたクランのそれを指す。

*2:tri6.netでQuakeを始めた頃IRCを体験したが、その後Tri-6ホームページのIRC鯖へのリンクが機能しなくなってから参加しておらず、クライアントのmurichatもいつのまにかアンインストールしていたので。

*3:latency:同義ではないが"ping"ということが多い。鯖とプレイヤーのPCとの間の信号伝送に要する時間で、相当大きくスコアに影響するが、インターネットで遊びはじめた時からブロードバンドで、55.6k/bpsモデムなどで苦労したことの無いプレイヤーはこのことにまるきり無知なことが多い。

Black Tongue QWCTF / BT

2人でQCTFのゲーム中にQ2CTFの話をして

    QWCTF時代はカナダのバンクーバーに主要メンバーが住むBurning Chrome(略号BC)というクランが運営する"Black Tongue QWCTF"*1という鯖の常連でした。この鯖はパワーや接続回線の良さやBCのレベルの高さから人気が高く、ブロードバンドの普及しないあの時代に北米全域やヨーロッパの一部からもプレイヤーが常連として集まっていました。なにしろ日本からの"ping"ではそこが一番「近かった」のでプロバイダーのIIJ4uの海底ケーブルはバンクーバーの近くに上陸しているのだとずっと思っていたくらいです(本当はサンフランシスコの近くのパロアルト)。

    ところが1997年の12月頃、鯖マシンを置いている家とその回線をそれ以上使えない事になってBTは閉鎖されました。その結果BTに集まっていた常連は一時的にQuakeを遊ぶのを止めてしまったのか、QuakeSpyのバディリストに登録してある遊び仲間はBCのメンバーを含めて大半が全然QWCTF鯖に現れなくなりました。その後もふた月ほど色々な鯖で遊び続けましたが、やがてQuake 2の公式CTFモッド*2が発表されてからはQuake2CTFに移りました。Q2CTFでもBTの常連は一部しか見かけませんでしたが。

*1:http://www.auggy.mlnet.com/bt/にプレイヤーの各種統計があるが、みると私が如何に雑魚プレイヤーだったかということがよく判る。

*2:mod :"modification"の略、ゲームのルール・モデル・武器・マップ等々を改変または追加したもの。改変の程度の大きく総合的なものを"Total Conversion"(TC)と呼ぶ。

CTF players in Japan

    Q2CTFを4ヵ月ばかりやっている内に日本のクランに入りました。本当はそのクランの名称も彼らの半可な気負いも気に入りませんでしたが、他にQ2CTFの練習や試合がやれそうなクランは当時日本にはありませんでした。

    今でこそFPSのCTFのようなチーム戦でチーム内で文字または音声の連絡を頻繁にとることは当たり前ですが、私がQ2CTFを始めた頃1998年初めには日本のプレイヤーでそれを実行している人はいませんでした。外国鯖で見て知っている人はいたでしょうが、そのころ日本のQuakeクランはデスマッチ中心で、それぞれのクランにチラホラCTFをやる人がいる程度でした*1。次のリンク先は私が質問に答えてTri-6の掲示板に投稿したものです。http://www.jp.tri6.net/memo-quake/log/log470.html この数ヶ月前にも「友の会」の掲示板に同様の事を書き、マイナーな掲示板のため反響は特にありませんでしたが、Tri-6の掲示板は当時メジャーだった*2のでこの投稿をきっかけに日本でもチーム内連絡メッセージを多数のキーにバインドして使うことが普及しはじめました。

    それはともかくとしてスキルの点では私はそのクランで浮いた存在、所謂みそっかすであり、帰属意識も希薄(試合の時以外クランの略号を名前に付けなかった)だったので、そこにはひと夏いただけでくだらぬいさかいの後やめました。

*1:私が初めて入ったそのクランが他のクランとCTFの試合をして連戦連勝だったのもそれが本当の原因。

*2:今はウェブサイトは忘れられ掲示板は荒らされ放題の末期症状だ。